皆さんSDGsという言葉はご存じですか?
これは、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発目標」(SDGs:Sustainable Development Goals)の略称です。2030年までに持続可能でより良い世界を目指す国際目標で17のゴール、169のターゲットから構成されています。
薪ストーブを使用することでSDGsの何に該当するのか
どういった貢献ができるのか。
薪ストーブとSDGsについて薪ストーブ歴10年の筆者が勝手に考えてみました。
環境問題について興味のある方、薪ストーブを導入しようか悩んでいる方にぜひ読んでもらいたいテーマです。
あくまで、筆者の個人的感想なので悪しからず。
まず、目標3について考えてみる。
「すべての人に健康と福祉を」とのことであるが、薪ストーブは健康に良いのかを考える。
私が考えることは次のとおりである。
- 快適な室内環境は健康に寄与する。
- 薪の燃焼時に出る遠赤外線効果で体の芯から暖まる。
- 火のある時間は家族団らんの時間をもたらす。
少々強引ではあるが、薪ストーブがあることで、室内の温度を快適に保つことができます。
冷え、寒さは健康を害する一つの要因です。
室内の温熱環境が健康を左右する要因でもあります。
快適な室内環境を作ることは健康のためにも良いことことです。
薪ストーブの燃焼効果として、燃焼時の遠赤外線効果が挙げられます。直接的な炎の暖かさだけでなく、炎からの遠赤外線効果で体の芯から暖まることができます。
エアコンの風にはない効果で、じんわりと体を暖めてくれます。
また、室内に火があることで自然と家族が一つの場所に集まります。
焚火をしているところ、暖かいところには人は集まります。薪ストーブの火を囲み家族団らんを過ごすことで健康と福祉にも寄与できると考えます。
我が家でも自然と家族が薪ストーブの周りに集まります。
現在、家庭のエネルギーの多くは、電気、ガスに頼っています。
冬の暖房だけでもかなりのエネルギーが必要です。
ここで、薪ストーブを使うことにより、電気、ガスのエネルギー消費を抑えることができます。薪ストーブの燃料は、その名のとおり
薪です。
日本の国土の約7割は森林に囲まれており、薪資源は豊富です。
古来から日本人は、薪を集め、その火を料理、暖房、明かりなどに利用してきました。
木はCO2を吸収して育ちます。薪を燃やすことによってCO2は排出されますが、排出されたCO2はもともと木が吸収したCO2を排出していることになります。伐採した場所にまた植林をすれば木の成長とともにCO2を吸収してくれます。このサイクルがカーボンニュートラルという考えになります。
薪ストーブは一次燃焼、二次燃焼と高温で木を燃焼させるためCO2の排出はとても少ないのです。
この豊富な薪資源を利用し、CO2の排出も減らすことができれば目標7を達成することができます。
近年の自然災害は、我々の生活に甚大な影響をもたらしています。
自然災害があっても、元の生活に早く戻ることができるまちづくりが必要です。
台風、豪雨などで多くの木材が流出します。この木材を薪材にすることで、木材のリサイクルにもつながると考えます。堤防の補強、ダムの建設、港湾の整備などハード面での街づくりを行いながら、そこから派生する木材を薪材として利用することで目標11の達成につながると考えます。
近年は、森林を伐採し、そこにメガソーラー発電所が建設されていますが、果たしてこれがエコなのか、目標11に反しているのではと考えます。
「つくる責任とつかう責任」を、薪ストーブに当てはめると薪材をつくる責任と薪を燃やす責任に分けられると考えます。
薪材をつくる責任とは、薪材には針葉樹、広葉樹と2種類があり、
薪ストーブユーザーは広葉樹の薪材を好みます。これは、煤が出ない、火力が安定しているなどの理由です。針葉樹は煤が多く、高温になりやすいなどのデメリットがあります。
しかし、日本の樹木の多くはスギ、ヒノキ、松などの針葉樹が多くこの針葉樹を使い薪材をつくることでつくる責任を果たせます。
現在、問題になっている放置された森林の再生にも一役買うことができるのではないでしょうか。また、その薪を燃やすことでつかう責任にも寄与します。
多くの薪ストーブユーザーが敬遠しがちな
この針葉樹をつかい、「つくる、つかう責任」を果たしていけると思います。
今、日本の森林が危機を迎えています。
これは、外国産の安価な木材に押され、国内の木材が売れないため、放置された森が全国にたくさんあります。
荒れた森林は、木々が育たず、やせた土地になります。ひとたび大雨が降れば、
山の斜面が崩れ木々ごと流され
下流域に大きな被害をもたらします。
また、戦後植林された木々は、スギやヒノキなどが多く
単一的な森林が多くあります。
森の豊かさのためには、様々な木々が生い茂る森林が必要です。
スギ、ヒノキ、クヌギ、ブナ、松、桜、ヤマモモ…等々バラエティーに富んだ森林が
かつてはありました。
薪ストーブユーザーが薪材を利用することで、
切った木の後に植林を行い持続可能な森林つくりもでき、
「陸の豊かさを守ろう」に貢献できると考えます。
SDGsの各項目について考えてきたましたが、自然の物を使い
カーボンニュートラルが達成できればエコである。と主張できます。
しかし、現在の日本の森林の現状からすると、薪材を切り出し
薪に加工し、配送するといった過程で多くのCO2が発生するのも事実です。
薪ストーブがエコにつながるかは、地産地消の考えも重要で
地場の木材を使用し、針葉樹も広葉樹も利用する
ことが重要であると考えます。
薪ストーブがエコなのかエゴなのかは、ユーザーの考え方次第ですね。
ここまで、薪ストーブとSDGsについて述べてきましたが、
結局、我々が貢献できることは
「どんな薪材でも選り好みせず、しっかり燃やし、暖かい住環境をつくること」
になります。
地球温暖化など、薪ストーブのめぐる環境も大きく変わりつつありますが、
我々はできることをして貢献できればいいと思います。
SDGsという考えが広まり、
各分野で行動しなければ地球環境が持たない状況です。
地球規模の壮大な考えを持つことも大事ですが、
我々は目の前のできることから行動していくべきですね。
私の勝手な結論から言うと、薪ストーブはエコである。といった結果になりました。
自然の木を切り、その木を燃料にして暖をとる排出されるのは少量のCO2と灰のみ
切株からはひこばえと呼ばれる次の木の芽が育ち
CO2を吸収してくれる。カーボンニュートラルができており、薪ストーブはエコである。
SDGsに貢献していると思います。
ここまで私の個人的な感想を述べてきました。
今、私にできることと言ったら、先日もらった薪を切って
来シーズンに備えることくらいですかね。
こんな本もありましたので参考に載せておきます。